私は、伊吹の隣に肩を並べる。さっきまでは、見えなかった顔がランプの明るさで良く見えるようになった。


「何年ぶり?」


「・・うーん、12年ぶりぐらい?」




「え、そんなに!」



久しぶり過ぎて何を話して良いのか分かんなくなるよ。


当たり前なのだけど、背もすごく高くなってるし、顔も凛々しくなっているように見える。

髪だって爽やかにおしゃれにカットされていて、髭だって生えているのに、笑うときの口元は変わらないんだね。



「花菜、きれいになったな。」



「えぇ〜!?」



「はは、そんなに笑うかぁ?」


そう言いながら、伊吹は星を見上げた。ふと、夜空を見る伊吹を見てしまった。

とゆうよりは、見ていたいんだ。

また、私に視線を向ける伊吹に私はドキドキして何も言えない。




せっかく伊吹にきれいになったなって言われたのに、私ってば何も言えないままだ。



“伊吹もかっこ良くなったね”って言いたいのに・・・




ドキドキしてしまって、言えないぃ。


ドキドキ‥‥‥って、そりゃドキドキしちゃうよね?
昔、大好きだった人に再会したのだから。



「あ、そうだ。伊吹、ビール飲む?」



私は、来る途中で買ったビールを思い出した。