後から隼人に聞いたところ、俺は口角を上げて、花菜はどんな子が話していたらしい。






それに、花菜が頑張り屋なんだろうなぁと、改めて知ったのは、梅雨の時期だった。



話は少し、遡る。




俺は、サッカー部が終わった後、教室に忘れもんをしちまって取りに行くときだった----------



忘れもんはロッカーだったんだけど。




教室からは、なんだかお世辞でも上手いとは言えない、楽器のような音色が聞こえてくる。



上手く吹けてると思ってたら、「ピー!」と外した音が偶に聞こえる。



俺は、誰だろ?っと教室を後ろからそっと覗いたら、女の子が楽器を吹いているようだった。


何度も何度も、繰り返す。何度も何度も・・・・



花菜だ・・・


止まっては、目もとに手をかざし、また吹いている。
   

もしかして、泣いてんのか?


バレないように見てみる。鼻をススル音も聞こえてくるから、やっぱり泣いてるんだ。



「あー!もっかいっ!!」



花菜は涙声で、やっぱり何度も練習していた。