ドラマチック・ロマンス

「鬼さん今、どこら?」



俺は、伊月に聞くと、山に近づいてると教えてくれる。



「ってか、誰そいつ?」



伊月が、花菜に気づいたらしく顔を向けると、花菜は泣きそうな表情をした。



「伊月くん・・・同じクラスなのに。」



うるうると今にも泣きそうになるのを見て、伊月も『あちゃ〜』といった顔をする。



「伊月、こいつ1年のとき同じクラスだった、花子だよ!日向花子!」




「そうだったなっ!ごめんな、花子!」



俺と伊月がわかったような口振りをする。



「もうっ!!ふたりとも違うっ、日高花菜だもんっ!私の名前は、花子じゃなくて、花菜っ!!うぅ・・・」



やっちまった・・・・こどもながらに、女の子を泣かせてしまうとゆう経験を初めてしてしまう、俺ら兄弟だった。





「ごめんな、俺も、伊月も、名前覚え悪くて・・・・ごめんな、花菜。」



「俺たちのことは、伊吹と、伊月でいーからな、花菜!」


俺も伊月も花菜を泣き止ますのに必死だった。


花菜はすぐ泣くから余計にガキの俺らに耐え難い。



「いーよ、別にぃ。」


花菜はちょっと怒ってぷくっとほっぺを膨らませると、すぐ笑ってくれたんだ。


「これからは、花菜だもんな!俺らも、名前で呼んでな!」



「うん!!!」



にっこりと、あの花菜の笑った顔が花菜って名前にぴったりだと俺は思うんだ。