ドラマチック・ロマンス

まず、最初に花菜と面と向かって話したのは、小学校2年のころ。




1年のときは、同じクラスだけど、みんなで遊んだり、一言二言話す程度だった。

クラスの一員だ、ぐらいだった。






小2になり、放課後にクラス関係なくみんなで集まりケイドロ(警察と泥棒)をやっていたときだった。


そのときは、違うクラスだった俺と花菜。



田舎だし、学年で2クラスしかないから、名前が分からなくても顔は知ってる奴が多い。




校舎裏の、体育館のまた裏庭には、ロープウェイや、芝生で出来た小さな山が二つ作られていた。


放課後遊んだりするには、うってつけの場所だ。


その小さな山の中は、コンクリートで出来たトンネルが左右両方出来ていて、人も入れる大きさだった。



その時、鬼から逃げるためトンネルに隠れようとしたところ、そのトンネルに花菜が、体育座りみたいに腰を浮かせて座っていたんだ。


トレードマークの大きなメガネをしていて、そこからは、ちょぼんと瞳が少しだけ小さく写った。



あ、コイツ、ドッチボールでメガネを壊しちゃった子だっ!とどこと無く、いつも不安そうなのが滲み出てた。