ドラマチック・ロマンス

「言っても分かってくれないもん!!」




「いいや、分かってくれる。」




親なら、子供のことを一番に考えるもんだろ?まだ、親になったことのない俺だけと、もし自分に子供が出来たら、一番に考えると思うから。




女の子は、しばらく下を向いていた。俺も何も言わずにいて、女の子が話し出すのを待っていた。




もう入り口のドアの向こうはまだ然程暗くなく、夕暮れ時な明るさだ。



一体、いつまで女の子は黙っているんだ?





「ありがとな、俺なんかを・・・好きになってくれて。」




一応、お礼を言うと、女の子は何を思ったか、俺のいるカウンターにずんずんと近付き、俺の両手を強く握ってきた。




「おいおい・・・」




その時、お店の入り口から“チャリん”と音がしたと思って、お客さまを見ると・・・・・



「花菜・・・」



俺の声に反応した女の子は、振り返り花菜を見ている。女の子の手を振りほどこうと俺がモガくと・・・咄嗟に女の子が俺に近付き、俺の口元に自らの唇を勢いに任せ、くっつけた。



「!!!!」