「でもさ、花菜、クリスマスなんだし、何か起こるかもよ。」



「えー、どんな?」



くだらない冗談だって言えて、美咲とは気が合う。小学生からの仲の私たちは、言わば姉妹のようなのだ。



「素敵な出会いがあるかもしれないじゃん。」


「出会いねぇ‥‥。」


小学校から引っ込み思案で人と上手くコミュニケーションが出来なかった私は、美咲の明るい性格に幾度となく助けられた。

そんなことを美咲に言うと、私のほうこそ、なんだかんだ含んで励ましてくる。


でも、自分ではうじうじしてて、何でも不器用な自分が好きになれなかった。

この歳になるまで、結構悩みながらに生きてきたように思うよ。


恋愛だって、美咲は色んな人にモテていたのに対して、私はみんなの恋愛を聞くのが専門で‥‥‥



私にも、好きになった人がいたんだ。告白は出来なかったけど、胸があたたかくなったり、恥ずかしくなったり、ドキドキして、どうすれば良いのか、あの頃は分からなかった。



けど、確かに私の初恋はあったことを思い出す。小学校と中学校時代の恥ずかし、淡い思い出。