ドラマチック・ロマンス

女の子は言い終わると、いつも帰るのだけど、あれ?






「ん?」




今日は、なかなか帰らない。
女の子は、俺をじっと見るとゆっくりと、歩幅を縮めた。




「あの!」




女の子は、下を向き手を握っている。どうかしたのだろうか・・・・




「どうしたの?」





女の子は、何か言いたそうな顔をして俺を見る。その俺を見つめる眼は、力強くて、その眼力に負けそうなほどだ。




「私のこと・・・その、知ってます?」




「あぁ、知ってるよ。商店街のお惣菜屋さんの娘さんだろ?」



それから、花菜の学校の生徒。俺が、サッカー部のコーチがあるときは、良く話しかけてくる子だ。それも一人で。




「サッカー、興味あるのか?」



今の時代、女子がサッカーをする時代だし、俺は只端に興味があるのかと思っていたけど・・・その子はどうも違うようだ。