「お二人さん、もう、いいか? お客さまみんな、湯立っちゃうよ。あはは!」




伊吹の同級生の咲良(さくら)さんの声で、我に返った私と伊吹は終始顔を赤くする。




周りの人たちも、私たちを見て笑っている。






「もう、お前ら、熱すぎるよ。」




私たち二人は、もう何も言えずに下にちょんと視線を移す。




「花菜ちゃんも愛されてんなぁ、伊吹と喧嘩したら、いつでも言いなよ、俺と千晴がいつでも味方すっからな。」




「・・・・あ、はい。ありがとう。」




私は恥ずかしくなりながら、咲良さんに言うのが精一杯。





そうして、私と伊吹は周りのみんなから、ニヤニヤされながら、咲良さんたちに声をかけ、二人でいろはを後にしたのだった。