「知っていたの?」



花くんに私が聞くと、サッカーのユニホームをとっくに着た格好の花くんは、“小さいころ、ばぁちゃんちに行ったときに、偶然会った”と驚いくことを軽く口にする花くん。




「俺、花音のこと、すげーー大事なんだ。」




花くんは、すっかり大人の横顔をして、私をまたもや驚かす。



「おっとこまえ〜~!!・・・そっか、二人は運命の二人なんだ。」



こんな奇跡ってある ?



「兄ちゃんと、花菜先生も奇跡みたいなもんだろ!将太が良く言ってるよ。・・俺も、姉ちゃんみたいに、運命の人に出会いたいって・・・」




「はは、なんか照れるな。」



花くんは、そう言うとちょっと表情が固くなった。



「だからって、将太には花音はやれない。花音は俺が守りたい、たった一人の女の子だから・・・」



“将太には内緒な?”と、妙に大人に見える花くんに、私は、“うん、そうだね”と花くんに笑いかけるしかなかった。


と、同時に将太の失恋が決定した・・・将太も自分から守りたいって子現れると良いのにと、心の中でそっと思った。