ドラマチック・ロマンス

私は、ひょいと伊吹の後ろから顔を出すと、ある人の横顔が見えた。




「え、伊月・・・・?」




幼い頃、伊吹と瓜一つだった。伊吹がふたりいると、幼い私は思っていた。勉強が得意な伊月と、走るのが得意な伊吹。



私は伊月がいるのがびっくりして、それはもうびっくりした。びっくりし過ぎて、伊吹の服を掴む。



まさか、会えると思わないよね!




「・・・・・・・・え?もしかして、花菜?」




伊月は、何やら床に座り胡座をあきながら、私をびっくりした表情で見る。




「は、はい。花菜です。」




そう聞かれ私は、拍子抜けしてぽつりとつぶやくと伊吹に笑われる。




「はは、花菜だ!花菜だぁ〜!!!」




“この感じ花菜だよな”と訳がわからず伊月は笑っている。




「おい、なんでいんだよ。」



「え、邪魔?」