ドラマチック・ロマンス

そういえば、一緒に来ていたハナくんと、将太と、花音ちゃんがいない。




「みんなとはぐれた?」




私が言うと鈴は、頭を左右に振る。そして、また泣き出しそうに泪を堪えているように見えた。




鈴の座っているベンチに一緒に座らせてもらう。





「どうしたの、鈴?」




ポロポロと泪を流し始める鈴。鈴は、友達想いの優しい心を持っている女の子だ。



人一倍、相手を思いやる心がある、そんな子なんだと思う。





「・・・・・ない。」





鈴が何か言ってくれたのに、聞こなかった。




「鈴・・・?」




鈴の涙は止まらない。





「叶わない。いつも、花音には叶わないんだ。」


そのとき、ココロの声を聞いた気がした。