ドラマチック・ロマンス

三人で観覧車を降りて、私は二人と別れた。


私が“自分の気持ちを落ち着かせたい”と言うと二人は、笑って頷いてくれた。



本当に優しい二人だ。今日、一日で、トーコ先生と香凛先生がより好きになった。





・・・さて、どうしたものかな。



私は、ひとりになり、予定もなくてぶらぶらと歩き回っていると、花音ちゃんと一緒に来てくれていた鈴が、ひとりでベンチに座っている。




「鈴?」




携帯を俯きながらいじっている鈴に声をかけた。






鈴は、吹奏楽部の生徒で、部長の灯の妹さんだ。



トランペットを担当している鈴は、部活に一生懸命な頑張り屋さんだ。



ボブの艶があるストレートな髪の毛が良く似あっている女の子。




そんな鈴が、私の声に気づき、顔を上げた。




・・・あれ、泣いた?


泪の痕が、瞼の上にあることに気付く私。