「花菜、もっとキスしたい・・・だめ?」



「・・・いいに決まってるじゃん。」



伊吹は待っていられなかったほど、私の唇を奪っていく。あぁ・・・



伊吹の吐息だか、私の吐息だか分からないにほどに絡み合う私と伊吹。伊吹の舌が入ってきて、身体が硬直しちゃいそうになった。



「花菜・・・安心して、俺に預けて・・・」



「う、ん・・・ん・・いぶき・・・」



ちょっと待ってと、もうどうにかなっちゃいそうだからと、伊吹の胸板をポンポンと叩く。




「・・・ね、どうしてそんなに、俺をきゅん・・ってさせるの。・・・あぁ、約束守れないよぉ。」




伊吹は、困ったように火照った顔を少し私から離す。



私が“なんの約束?”と聞くと、伊吹は私の両親との約束”だと教えてくれた。



「伊吹・・・いいんだよ? 私も伊吹ももう子供じゃないんだよ。・・まぁ、ちょっと家族の顔がチラつくけど・・」



「花菜って、本当に大人になったよな。明るくなった。中学のころのおまえは、いつも泣いてる印象が強かったけどさ。」




そう言う伊吹に、私はちょっと拗ねた。そんなに、変わるかな・・・と。


伊吹だって大人の男に変わっているのに・・・