ドラマチック・ロマンス

「な〜に、店の前でやってんだ?」




自転車に乗って帰って来た伊吹の弟のハナくんと、将太が私を見た。将太は、“うっせーなぁ”みたいな顔をした。




「あら、おかえり!」





みんなで、おかえりと声を揃える。



今、ここには、花音ちゃんのお母さんと花音ちゃん。



伊吹とハナくんとふたりのお母さん。




そして、私と将太がいる。






「ふふふ、賑やかになっちゃった。」





「あぁ、そうだなぁ。」





なんだか、面白くて私は伊吹を見て笑うと、伊吹も私を見て笑っていた。






「あ、この子・・・・」




将太が花音ちゃんに気づいて、花音ちゃんを見た。



将太の視線に気づいてハナくんも彼女を見る。



「そうだよ!生駒花音ちゃん、ハナくんと将太とは同級生だから、仲良くしてあげてよね?」




私が将太とハナくんに言うと、二人は花音ちゃんに近づけて行く。



花音ちゃんも、二人を見た。




「俺、花朔斗真。よろしくな!ここ俺んち〜」



「俺は、日高将太!ちなみに花菜先生は俺の姉ちゃん!よろしくな!・・・・・って手話わかんねぇ。」



「だよな、勉強するか・・・・」




顔を見合わせてこんなことを言う二人。




「花菜、良かったじゃん。」




「うん、一歩前進したよね・・・」




「したさ」




私は、花音ちゃんに二人の名前と自己紹介を教えてあげた。