(…引きこもりみたいだな。)

「…兄貴ー?」

「綾人…」

「あ、兄貴?!」

すごく小さな声だったけど、兄貴が俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。

寝室の方から声がするみたいだった。

慌てて寝室のドアを開けると、兄貴がベットで寝ていた。

顔色も悪く、苦しそうな表情をうなっていた。

「兄貴大丈夫か?
うわ、すっごい熱じゃんか。
薬飲んだのか?」

「あまりにも苦しかったから、起き上がるのも出来なくて…
何にも食べてねぇ…」

(ったく、理学療法士が何やってんだよ。)

「お粥作ったら食えるか?
薬飲む前に何か食べた方がいい。」

「あぁ、悪い…」

とりあえず、1日中寝ていて汗びっしょりだったからTシャツに着替えさせて、水で薄めたスポーツドリンクを飲ませた。

それからキッチンに向かい、急いでお粥を作った。

ついでにテーブルに置いてあったりんごをすりおろして、お粥と一緒に兄貴の所へ持って行った。