綾人 side.

4人で帰っている途中、突然兄貴からの電話があった。

兄貴は俺の5つ上で社会人。

高校卒業したと同時に1人暮らしを始めていて、それでも高校からも比較的近いところだから、こうしてたまに呼び出される。

ま、今日は家帰っても親が2人ともいないし、兄貴のところで飯食べさせてもらうか…

3人に兄貴に呼び出されたことを伝えて、駅まで走る。




(そういや、兄貴の声元気なかったな…
風邪でも引いたのか。)

途中にあるコンビニで、薬とスポーツドリンクとゼリーを買って兄貴の家に向かった。

兄貴の住むマンションは高校の最寄り駅からさらに向こう。

30分電車を乗り継いで、歩いて5分の場所。

『ピンポーン』

「……」

(中から応答がない…)

ったく、しゃーねーな。

「兄貴、入るぞ?」

持っている兄貴の部屋の合い鍵で中に入る。

外も結構薄暗いのに電気が1つも付いていなくてさらにカーテンも閉まっていた。