「翼沙?
話が長くなるんだけど聞いてくれる?」
「もちろん、聞くよ。」
私は決めた。
翼沙に何もかも話すって。
たとえ嫌われたとしても…
お兄がいること
小学3年生の時にお母さんが亡くなったこと
お母さんが亡くなったことで、
さらに人に頼ったり甘えたりするのが苦手になったこと
唯一、健流が弱音がはけて泣ける場所を作ってくれたこと
全部話し終えた時には翼沙が泣いていた。
(何の涙なんだろ?)
そして翼沙は口を開いた。
「由乃、自分勝手なこと言ってごめんね。
翼沙なんて性格こんなんだから、頼れなかったよね…
それにすっごく不安だったの。こんなに一緒にいるのに悩みの1つも言わないなんて、本当に友達だと思われてないのかなって…」
(そうか、自分を攻めてたんだ…)
「私そんなこと一度も思ったことないから。自分を攻めないでほしい!
翼沙は何にも悪くないもん。私が人に頼ることが苦手だから、翼沙に余計な心配かけちゃったんだよ…」
「そんな…事情も何も知らないで言いたい放題言ったんだもん。本当にごめんね?
それからね、由乃。この話をふまえた上で聞くけど、やっぱり翼沙には頼れない?」
さっきよりも落ち着いたトーンで話し出した。しかし表情は不安げな様子だった。
そしてさらに続けた。
「頼ってほしいって言うのも正直あるけど、何よりも由乃の力になりたいの!」

