First Love.


「本当にマイペースなんだから…
でもこれで由乃と2人で帰れる~」

「そうだね!」

3年生になってから4人で帰ることが多かったから、2人で帰るのは本当に久しぶりだった。




翼沙が言った。

「ねぇ、由乃?
少しカフェに寄っていかない?」

「いいよ!
今日はお兄も帰り遅いし。」

「やった!行こいこっ」

即決した。お互い計画性がないから、パパっと決まることが多い。




というわけで、私と翼沙の行きつけのカフェに行った。

「木」をインテリアに取り入れていて、暖かみがある素敵な場所だ。

翼沙はアイスコーヒー、私はアイスココアを注文した。

ウェイターさんが離れたのを確認してから、私から話を切り出した。

「翼沙、急にどうしたの?
ここに誘うなんて何かあったの?…」

すると翼沙は難しい顔をして、下を向いてしまった。
私の問いかけにも反応してくれなかった。

(私、もしかして何かしちゃったのかな?!)

「あのね、翼沙!
私何かしちゃったの…」

「ねぇ、由乃。
翼沙ってそんなに頼りない?」

翼沙がいきなり真面目なトーンで話し出した。

表情からして、これからとても真剣な話をするんだなと思った。