「帰っちゃったなぁ、棗……」 棗は傍にずっと居てくれるけど、恋愛感情を抱いたことはない。 むしろ、……さっきも言ったみたいに家族みたいな感じ。 ふと棚の上に置いてある時計を見ると4時半だった。 もう棗が来てから丁度1時間くらい経ったみたい。 もう帰っちゃったけどさ。 「暇だし、寝よっかなぁー」 本当にやることないんだよなぁ、病院って。 今は冬だから4時半といえば真っ暗だし。 ベッドにぼふん、と背中を預けて目を閉じる。