矢野くんが横暴すぎるんですが!

屋上なう。展開早いって?知るか。
だって特筆するほどのことがないんだもん。超金持ち校でエスカレーターがあろとかならともかく、そこそこ偏差値が高いだけのウチの高校に、残念ながらそんなものはない。

屋上は、夕日で赤く染まりつつあった。
グラウンドからは運動部の声が聞こえてくる。
だけど私の目に映ったのは、哀愁漂う夕焼けでも、部活に勤しむ生徒達でもなく

「矢野…くん?」

給水タンクの上で寝ている矢野くんだけだった。
もしかして、朝からずっといたとか?だとしたら昼間は相当日差しがキツかっただろうと思う。…やっぱりよく分からない。

「まぁいっか」

とりあえずは生徒手帳を探すのが先決だ。矢野くんのことはこの際どうでもいい。気持ちよく寝かせておいてあげよう。