うちの学校の放送部には、オーディションがある。 適性を判断するものだという。 私は一年のときも受けたが、結果は落選だった。 それから、来年こそはと思い、たくさん練習した。 よりいい声を出せるように。 より滑舌が良くなるように。 そして、初の放送日。 とは言っても、先輩の放送をそばで見るのがほとんどで、マイクの前で話すのはほんの1、2行だけ。 それでも、あの憧れの放送室に入れるというだけでも、嬉しかった。