「お姉さーん」

「うえー?」


突然後ろから声をかけられて、私は変な声を出しながら首だけを振り返ってみた。


そこには二人組みの男の子。

完全に高校生だ。

こんな夜中に出歩いていいのかよー、とか思いつつも、私はじっと彼らを見つめた。



「なになに?一人?

・・・って、お酒飲んでんじゃん!俺らにも飲ませてー」


「あーっ、だめだめっ」


ビニール袋に入ったお酒のビンに手を伸ばす男の子の手をぴしゃりとはねのけると、私は両手でそれを隠した。

ちぇー、と膨れながら、男の子が頭で手を組む。

もう一人の男の子は、可愛いー、と顔を緩ませていた。


「ねえねえ、お姉さん。

俺らと一緒に遊ばね?ね、いーでしょ?」

「・・・・・・・やっ」


きつくつかまれた腕。

じわりと全身に鳥肌が立ったと同時に、私は自分の身に危険が迫っていると感じた。


酔いは完全に醒めた。

ただ、目の前の男の子が、怖くて怖くてたまらなかった。