「うぅ・・・・・」
「園ちゃん・・・・・」
涙が頬を伝う。
何で、こんなに悲しいんだ。もう終わった、終わってしまった。
私の涙を見て、おろおろと慌て始める店長に「帰るね」とだけ告げてお勘定を適当に済ませると、私はそのお店を出た。
後ろから店長の声が聞こえた気がしたけど、それは聞こえなかったことにした。
「一人じゃ危ないでしょ?!タクシー乗ってく?!」
そんな言葉が聞こえたからだ。
今は一人でいたい。誰とも顔を合わせたくない。
頭がグルグルする。気持ち悪い。
さすがに飲みすぎた。そんなことにも気づけないくらいに私は酔っていて、ただあの寂しさや悲しみを忘れたいがために
また自販機で売っているお酒を買って飲んだ。
「なはーっ公園ーっ」
はたからみたら警察に通報され、補導されてもおかしくなかった。
近くの公園に駆け込むと、私は小さなブランコに飛び乗って座る。
そこでも、二、三本買った日本酒をちびちびと飲んでいた。
「ふーらーれーたー」
完全に自暴自棄だった。
もうなんだっていい。
なにがなんでも、忘れてやる。
―――酒の勢いで。


