そう、耳元でつぶやく。

「ねえ、蓮くんはっ…死なないよね?」

「ん?ああ」

やっぱりトラウマになってんだな。

兄の死が。

「ほんっと?」

半べそ状態の未紗仔。

「ほんと。お前遺して死ねっかよ」

そう言うと、ブワッと涙をこぼした。

さみしかったな、つらかったな。

俺は、孤高の姫様が泣き止むまで抱き締め続けた。