ースー……ハー……ー

呼吸をゆっくりする。

昔…お兄ちゃんに言われた。

『息は全てのことをするために必要なもの。息を整えなければ、なにもできない』

その、お兄ちゃんももういない。

「尋…もう、容赦しないわよ」

私を怒らしたらどうなるかなんてわかってたはず。

「ふぅ…。やりますかっ!」

そう、つぶやいて。



ーボコッー

尋の鳩尾を殴る。

ーバキッー

そして、ヤツの頬を殴る。

そしてー…とどめを刺す。

「尋…っ消えてーーーっ」

ーバキッ…ボキッ…ボコッー

「ぐっ…ゴッ…」

尋が苦痛の声を上げる。

それが心に染みた。

でもー…私は力を緩めない。



ーバタンッー


尋が倒れてー……私も同時に倒れたー……。

『みさこちゃんっ!』

なんだか、懐かしい声がした気がするんだけどー…。

私の意識はそこでブラックアウトした。