100万回の『I L♡VE YOU』

ー蓮sideー

『蓮くん?』

「未紗仔…?」

アイツがここにいるわけねぇのに。

アイツに呼ばれた気がした。

…まだ、やれる。

アイツに告うんだ。

勝って、胸を張って、堂々と。

「アイツは…っ俺が守るっ‼︎」

「ハァ⁉︎あの女はオレがもらうんだよ!」

「ざけんじゃねぇ!」

アイツは物じゃねぇ!

それにらテメェなんかにくれてやる女じゃねぇよ。


あんな、最高にイイ女をお前に渡せっかよ、ハル。

「お前は、未紗仔の見てくれだけしか見てねぇっ‼︎中身も見てやれやっ!」

「蓮、お前も変わったな?あの女に骨抜きにされたか?」

ギャハギャハと笑うハル。

そんなの、とっくにされてる。

ガキん頃からずっと、本当に欲しかったのはー…

「未紗仔だけにきまってんだろ‼︎」

そうだ。

いくら女嫌いで、女遊びをしていても。

ずっとずっと欲しいと。

俺から欲しいと思う女はアイツしかいねぇんだ。

「…この賭けは俺がもらうっ」

ニッと笑い、拳を振り落としたー…。