「どうしてくれるんだろうな。…黒姫」

「ハル、黒姫って引退してねーの?」

「ああ、“アレ”があってから、ここ半年やめたらしーけど」

「“アレ”ね…。で、今回のことがあったから、表に出てくると?」

「だと思うけどな、オレ」

そう会話しているところに。

「ハルさんっ!滝本が来たっ‼︎しかも1人だっ!」

下っ端のケンがやってきた。

「1人で来るとは…さすがだな、蓮」

お前はどこまで真っ直ぐなヤツなんだよ。

少しくらい、オレを殺す気で来てくれねぇとさ。

本心をさらけ出しそうでこぇぇじゃん。

ーバサッー

そう思いながら、特攻服を着る。

紫の龍と鬼。

“12代目総長 坂本春樹”の文字。

オレは、これを一生手放すことができないんだ…。

だから、今から親友と賭けをするー…。