同じ願いで



校門坂に、私たちを待っている軍団がいる。




男子もいるし女子もいるし、本当になんなの、この騒ぎは…



その騒ぎの隣を通ると、一瞬にして静かになった。



ばれた⁇ばれたかな…⁇



「ぷっ、何その格好。だせー。」



1人の女子がその言葉を皆に聞こえるように言うと、次々にいろんな人が私たちに向けての文句を言い出した。




さすがに、イラっとしてしまったので、ここでショーを見せてあげようかな。



私と祐は顔を見合わせてさっき通ってきた道を戻った。



そして、一番最初に私たちにの悪口を言った女の子の前に立った。



ここ、だいぶ目立つよねぇ~…



皆んなに一度お辞儀をすると、鞄を地面に置いて、化粧ポーチと鏡を取り出した。


まずはメガネを取って、めちゃくちゃ太く描いた眉毛をメイク落としで消した。



基本すっぴんな私は、落とすだけでいつもの顔になる。



そばかすも消して、おデコに書いてたニキびっぽい物も消して、グロスを塗った。




最後にメガネと、マスクをはずし、おさげにしていた髪もほどいた。



おさげにしていたおかげで髪の毛はクルクルになっていた。



スカートも短くし直した。



隣で髪の毛をセットして、いつも通り制服を着崩した祐と、顔を見合わせた。



「変わりすぎだからっ。」



そういって2人で笑った。




「ほんと、さっきのお前、ブサイク。」



「さっきの祐だって、めちゃくちゃダサかったよ‼︎」



なんて笑いながら言い合いをした。



「でも、今のお前は世界一可愛い。」



みんなに聞こえるくらいの声でそう言い、私にキスをした。



そして、私たちたちは鞄を持って、みんなにお辞儀をして教室に向かった。