1ヶ月もたった。
亜子からは何も言われない。
祐ともしゃべれない。
なんだかんだ、信じれるのは慎也だけだった。
「萌音、おいで。」
慎也か手招きをされて、なんだろうと思いながら小走りで慎也のところに向かった。
「さぼろーぜ‼︎屋上行くぞ。」
いきなり何を言いだすかと思ったら、私の手を引っ張り走り出した。
「えぇ~⁈私に拒否権はないのー⁈」
走ってるからなるべく大きな声で言うと、慎也も ないー‼︎って大きな声で返事した。
ないって…
まあ、教室は正直 息苦しかったし…
このときは慎也に感謝した。
屋上につくときには、もう息切れ。
「ははっ。萌音、体力なさすぎ!」
「はぁっ…だって…‼︎」
否定したいけど、本当のこと。
必死の言い訳も息切れしていてうまく喋れなかった。
「で、なんでいきなり屋上⁇」
「言ったじゃん。サボるって。」
アホ。っていいながらコツンと私の頭を叩いた。
「ふーん。」
「って言うのはそん時の言い訳。」
え?言い訳?
って、どーゆーこと⁇
「萌音、めっちゃ泣きそうだったから。」
私、教室にいるときは表情を作ってた。
なるべく笑わなきゃって思って…
これ以上、気まずくなるのは嫌だから…。
「萌音、もう我慢すんな。ここで全部吐き出せ。」
慎也…なんでそんなに優しいの⁇
なんでそんなに私のためにしてくれるの⁇
「うぅ…っ。慎也ぁ~…っ。」
ボロボロ泣く私を抱きしめて、子供みたいに頭を撫でられた。
「私っ、見たの…っ。」
私は、慎也にあのときの出来事を話すことにした。
「祐をさがしてた…ら…っ…」
うんうん。そう頷きながら、私の話を最後まで聞いてくれた。


