「亜子…今までどこいってたんだよ」
「なんで私の名前を知ってるの⁉︎」
目の前の亜子はとてもびっくりしていた。
「…は⁇亜子、どうした⁇」
「え…⁇どうしたって…私、祐くんの大ファンなんです‼︎」
大ファン⁇
ってか、祐くん⁇
なんで敬語…⁇
俺は訳が分からず、とりあえずここに何しに来たのか聞いてみた。
「私、このマンションの来たくて…。なんだか、強い縁を感じたんです♪」
亜子に敬語を使われるということに違和感を感じながら、俺はモデルの祐として接した。
「北海道に行ったんじゃなかったのか⁇」
「私、北海道に住んでますよ‼︎ってか、なんでそこまで知ってるんですかっ⁇」
これは、本当に亜子なのか…⁇
「お前…、自分の高校一年生のときの思い出、何があるか⁇」
高校一年生は、俺たちと過ごしたはずだ。
「なんだったっけなぁ〜。北海道で雪遊びでもしてたんじゃないですか⁇」
北海道で、雪遊び…⁇
北海道になんか行ってないだろ⁇
お前…まさか、記憶がないのか…⁇
「ねぇ、亜子。萌音って知ってる⁇」
俺は優しく聞いてみた。
「あの、モデルでしょ⁇とても可愛いですよね〜♪」
「慎也って、知ってる⁇」
「慎也…⁇誰ですか、それ」
亜子は、慎也を忘れた。
「生まれてからずっと、北海道にいた⁇」
「当たり前じゃないですか‼︎今日、初めて東京に来たんですよ」
「初めて…嘘だろ⁇」
「もう、バカにしないでください‼︎」
そういって、マンションの中に入って行った。


