実は、モデルを続けてるのはちょっとした期待。
萌音のために、俺は今幸せだって言うことを知らせるために…
雑誌を通して萌音にこな思いが伝わればいいなって思いながらモデルの仕事を続けている。
「お疲れ様でした〜」
俺は撮影が終わって、すぐに萌音の住んでいた家にやってきた。
なんだか、萌音がいるような気がして…
でも、やっぱりいなかった。
チャイムを鳴らしても、扉を叩いてもやっぱり返事はなく、マンションのロビーにいるひとに話しかけた。
「602号室って、だれか住んでいますか⁇」
前来た時には、いないって言われることが怖くて聞けなかったその言葉。
「少々お待ちください」
そう言って調べてくれる目の前の人。
「えーっと、今は誰も住んでいないんですけど…でも、」
やっぱり。と肩を落とす俺に慌てて付け加えた。
「でも、前の方の契約がきれていないので少し家をあけているだけだと思いますよ」
そう優しく教えてくれたのは嬉しいんだけど…
どういうことだ⁇
契約がきれてないってことは、また萌音は戻ってくるのか⁇
「わかりました。ありがとうございます。」
その人にお礼をいって、マンションのロビーから出ようとドアの前にきた。
しっかりとサングラスとマスクをかけ、帽子を深くかぶって扉をあけると、見覚えのある人が歩いてきた。
「亜子…⁇」
そう、それは亜子だった。
俺が間違えるはずはない。
「亜子…」
そう言って亜子の前に立ち塞がると、亜子は気味が悪そうに俺の横を通り過ぎた。
あっ、変装してるんだった。
サングラスとマスクと帽子をとり、亜子の方へ駆け寄ると、亜子はとてもびっくりしていた。
「なんで…祐がいるの⁉︎夢みたい…」
夢みたい…⁇
俺と会えたのがそんなに信じられないことか⁇


