同じ願いで




【慎也side】




今日から2学期。




もう隣に亜子はいない。




もう、あの頃の四人で遊ぶことはないんだろうな。




萌音もいなくなった。



亜子は転校した。



祐は仕事がある。




俺は…⁇




今の俺は、いったい何がしたいんだろうか。



ただただ流れに身を任せて、何も考えていない。




俺の周りには誰もいなくなった。




唯一いるのは莉乃と、潤。




でも莉乃は噂の先輩と付き合い始めたし、結局は潤といた。





潤とお酒もたくさん飲んだし、喧嘩もした。




好きなやつがいねぇだけでこんなに荒れる俺って、ダセェ。




でも、祐も一時期こんな風になってたんだよな。





今なら祐の気持ちが痛いほどわかる。




「亜子…」




北海道についてから、亜子からの連絡は一度もない。




北海道に向かったのは3日前。



何かあったんじゃねえかって思っても、連絡がとれない。



つながらない。




お前も…萌音みたいに消えちまうんじゃねぇかって




そう思っていた。




萌音も…亜子も…



好きなやつ置いて、何してんだよ…




ほんと、女ってわかんねぇよ…