同じ願いで



「お父さん…わたし、引っ越すの⁇」




「家族みんなでいた方がいいだろ」




「いやだよ…。ここに残る…」




もう慎也に会えなくなるの⁇




もう莉乃にも会えなくなるの…⁇




「北海道には…どれくらいいるの⁇」




お母さんが冷静に質問した。



「わかんねー。これからずっとかも」




これから、ずっと…⁇



「私、ここに残って一人暮らしする…」




バカなこと言ってるのはわかってる。



でも、ここから離れたくない。




ここを離れたら、萌音との思い出がなくなる気がする。




慎也と離れるなんて事も信じられない。



「亜子…ごめんね…⁇北海道に…行かなきゃ」




お母さんが私をなだめてくれている。




「いやだ…。慎也…」




慎也と離れたくないよ…



私はお母さんの腕の中で泣いた。




お父さんも、ずっと申し訳なさそうに俯いていた。