同じ願いで



朝起きると、慎也はまだ寝ていた。




ーガチャ





…え⁇




いま、玄関が開く音がしたよね…⁇




お母さん…⁇



でも今日、夜勤だよね⁇



お父さんも1週間北海道だし…



だれ…⁇




慎也を起こさないようにゆっくりとベッドから降りて、部屋を出た。




うちの家、階段からギリギリ玄関が見えるから、そこから頑張って覗いてみる。




誰だろう⁇泥棒とか…⁇




それはないよね。こんな朝早くに。




すると、チラッと見えたスーツケース。




お父さん⁉︎



北海道は⁇




急いで階段を降りて玄関に向かった。




「お父さん、もう帰ってきたの⁇」




「ああ、亜子。ただいま。」




「おかえり〜。急にどうしたの⁇」




「どうしたって…仕事が早く終わっただけだ。」



そういって切なそうに笑うお父さん。



「どうかした⁇」



「いや、お前にも彼氏できたんだなって。」



あれ…



お父さんに言ってなかったっけ…




「今さら〜⁇そうだよ。」




「あとで連れて来なさい。」



え…




私、怒られるのかな⁇




でも、いっか。