同じ願いで




ーピンポーン




家に帰ってからくつろいでいると、慎也が来た。




「おかえり」




「ただいま」




そういって笑いあう私たち。




なにげない言葉でも幸せになる。





「今日泊まる⁇」



「誰もいねぇの⁇」



「お父さんは北海道に行ったし、お母さん夜勤だからいないよ。」




「じゃ、遠慮なく。」




そう言ってソファでくつろぎ始めた慎也。





まあ、いつものことだからいいんだけどね。




「ご飯出来てるから食べよう⁇今日はカレーだよ。」




「よっしゃ、食べる。」




「じゃあ、用意するからチョット待ってね」




台所で準備をしてると後ろから慎也が抱きしめてきた。





「慎也〜、ご飯用意できないよ⁇」




遠回しに離してって言ったつもりなんだけど、腕の力は強くなった。




「今日、何の日か知ってる⁇」




何の日だろ…⁇



今日は7月18日…




あっ‼︎




「ほら、忘れてると思った。」




そう言って私の右手の薬指に綺麗なシルバーの指輪をはめた。




「誕生日おめでと。」




「ありがとう…」



私はいきなりのことに泣きそうになってしまった。




「って、亜子⁉︎泣くなよ〜。」



「もうっ、ばか慎也。」



そうやって慌てる姿も何も変わってないんだね。




「だいすきだからね♪」



そう言って慎也のほっぺにキスをした。




「やべっ。照れるから見んな。」




そう言って私の口に濃厚なキスをしてきた。




「ちょっ…慎也っ…」





慎也はよく狼に変身する。





「も〜。カレー焦げちゃうじゃん」




慎也が口を離すと、私は少し戯けてみた。



これも、照れ隠しなんだけど…





「わりーな」



それを慎也は照れ隠しなんて知らずソファに戻って行った。