同じ願いで




いっときして私の涙もおさまった。




「萌音と仲良くしてくれてありがとう。」



微笑みながら、それだけ言ってパタパタとお店に戻っていった天音さん。





笑い方が、萌音と似てる…。




「亜子、どうする⁇」




慎也が戸惑いながら聞いてきた。




どうするって…



もう、萌音はこの町にいない気がする。




萌音のいる場所もわからないんだから、どうすることもできないよ…




「帰ろっか」




まだお昼。




普通に学校だったら弁当の時間かな。




「なんか、お腹すいたなぁ〜。」



泣いたり走ったり、色々と疲れてしまった。





「じゃ、なんか食べて帰るか。」




そして、よく行くパスタのお店でカルボナーラを食べた。




「おい…亜子‼︎」




急に叫びだした慎也。




「なに⁇びっくりさせないでよ…」




「いや、あそこにいるのって…」




そういって慎也は店の外を指差した。



誰…⁇



「誰を指差してんの⁇」




慎也が指差す方は人が多すぎて、誰を指差しているのかわからなかった。




「あの、黒い服の女の人‼︎」




私が理解できてないのがもどかしそうに指を伸ばした。




「黒い女の人…⁇って、あ‼︎」



慎也が指差しているのが誰かわかった私はすぐに店から出てその人の方へ走った。