「萌音、どこにいますか⁇」
単刀直入すぎたかな…
天音さんは少しびっくりしていた。
「やっぱり、あなた達も知らないんだ…」
そして、悲しそうな顔で俯いてしまった。
「あのっ…。何かわかったら連絡してください」
そういってメアドと電話番号を書いた紙を天音さんに渡し、席を立った。
「やっぱり、萌音は誰にも言ってないのかな…。」
店から出てポツリと呟いた。
「まだ諦めるのは早いだろ。お前まで弱気になんなよ。」
切なく呟いた慎也。
慎也も辛いんだよね…
私が弱気になってたら、みんながダメになる。
それは自分でもわかってる…っ
でも…私もどうしたらいいかわかんないの…
「あのっ‼︎」
必死に涙をこらえていると後ろから天音さんの声がした。
「萌音と連絡取れなくなる前の日、電話が来たんです…っ。」
そう言われ、思わず振り向く私。
きっと、隣の慎也も私と同じように驚いた顔をしていたんだろうね。
「最後の最後まで、あなた達の話をしてたの…。みんなには幸せになってほしいって…」
"幸せになってほしい"…⁇
私たちは萌音がいないと、幸せになれないんだよ⁇
「それと、"私を忘れて"って泣きながら言ってたの…。」
"私を忘れて"…⁇
なんで忘れないといけないの⁇
ねぇ萌音⁇
私は1度も萌音を忘れたことなんかないよ⁇
萌音と出会って、たくさんの思い出ができて…
忘れて なんて無理だよ…
「バカ…」
萌音のバカ…。
私は堪えきれなくなりその場に座りこんで子供のように泣きじゃくった。


