同じ願いで



萌音のマンションについた。



萌音の部屋の前には祐がいる。



「あれ…祐か⁇」




慎也は信じられないといった感じで目を見開いている。



そうだよね。




いつも強くて堂々としていた祐が部屋の扉に寄りかかって泣いていたから。




ずっと一緒にいた慎也でさえもその変わりようにびっくりしているんだから、それだけ萌音の事を好きだったんだね…



「祐…。」



慎也が声をかけるとびっくりしたようにコッチを向いた。




「萌音は…今、どこだ…⁇俺…萌音に、会いに行かなきゃ…いけねぇんだよ…。」



弱々しく呟く祐はもう、心身ともにボロボロだった。




「祐は、とりあえず家に帰って…⁇」



私がそう言うと、最初は納得していなかったが慎也が無理やり帰らせた。





「祐…ボロボロだったね。」



「俺、あんな祐初めて見た。」



「私…萌音を探さないと…」



「あれじゃ祐が壊れる。」




お互い、ポツリポツリと話す。



とりあえず、萌音の部屋のチャイムを鳴らした。



もちろん部屋からは物音すら聞こえない。



電話を鳴らしてみても、部屋からは何も聞こえない。



萌音は、もうここに住んでないのかな…⁇