同じ願いで



少しその場に1人にさせられて、落ち着いてきた私。



「ハイ、これ飲んで。」




渡されたのはホットミルク。




私がホットミルクを飲むと落ち着くことを慎也は知ってるから。




ホットミルクを一口飲んで、大きく深呼吸をした。




「あのね…。」




そう言って、萌音からのメールを見せた。




「何これ…⁇」



慎也はそれを見て訳がわからないという顔をした。



「萌音になにがあったか…まったくわかんないのっ…。連絡っ…も…とれなくてっ…」




嗚咽はまだ止まってなくて、変な喋り方になったけど慎也には伝わったみたい…



それを聞いて、慎也は急いでスマホを扱い出した。



「俺にも来てる。」



そう言ってメールを見せてもらった。



《慎也、今までありがとうね…。楽しかったよ‼︎亜子を、幸せにあげてね。さようなら。》




たったの短い文章だったけど、そこには萌音の気持ちがたくさん詰まっている。




「萌音…どうしたんだよっ…」


慎也も一緒になって考えてくれている。



慎也の携帯からも電話をしてみた。



『……ただいま電話に出ることができません』



そんな声が電話越しに聞こえた。



みんな、電話すらできない。



「慎也ぁ…。どうしようっ…。萌音に何かあったら私…っ」



そう思えば思うほど、私は弱くなっていった。



ボロボロと涙が溢れてくる。




「祐も取り乱してんだろ⁇俺らでなんとかしねーとだろ。」




そう力強く言う慎也。



「うんっ…」




「とりあえず、確認だ。萌音んち行くぞ。」




そう言って強引に私を連れ出した慎也。




慎也の家から萌音の家まで、歩いて30分くらい。



2人とも無言で萌音の家に行った。