「……泣いてる。」




そのまま彼は優しく
私の涙を拭ってくれた。







「…間違ってはないと思う。
伝え方が少し違っただけで。」









…敵わない、と思った。









なんでこんなにも
欲しい言葉をくれるの?




出会って2週間なのに。










「……ありがとう。あの、もう平気だから。変なこと喋ってごめんね。」







そっと手を離した四之宮くんは
気にしてない、と伝えるように
目を細めた。





なんて都合よく捉えすぎかな?






どうしよう、ドキドキが止まらないっ。



「あのっ次体育だからっ…、いくね。」




恥ずかしくなった私は逃げるように
図書室を出た。








私のいなくなった図書室で




「……2週間じゃねぇよ。」


と彼が言ったことなんて知る由も無い。