ーーー小学4年生
「ゆきちゃん!昨日借りたこれ、壊しちゃった。」
そう言って友達のまみちゃんが
私の大切にしてたビーズのブレスレットをポケットから出した。
思ってることはハッキリという性格のその時の私は、
壊されたことよりも謝罪の言葉がないことに腹が立った。
「まみちゃん、悪いことした時はごめんねっていわなきゃだめなんだよ。」
今思えば確かに言い方がキツかったのかもしれない。けれど言っていることは正しいことだった。
…けど。
ぽろぽろとまみちゃんが泣き出してしまった。
するとクラスの中心的な存在の男の子が大きな声でこういった。
「清水がまみのこと泣かせた!!!」
その言葉が始まりで、
クラスのみんなから色々な言葉を浴びせられた。
「清水はいつも言うことキツすぎるよなー!」
「まみちゃんかわいそうじゃんね〜。」
「心狭すぎるよゆきちゃん。」
「無駄にうるさいよね。」
幼い私が傷つくには充分な言葉だった。
「ごめんね、まみちゃん。」
その日から半年学校に行くのをやめた。
…行けなかった。
クラス替えがあるときいて
5年生からは頑張って通い始めた。
幼馴染の沙織には全て分かっていて、
その沙織と同じクラスだったのが救いだったけど、
あの日からずっと、口数は少ないまま。
中学もそれで3年間やってきた。
誰かを傷つけるのも、
それで自分が傷つくのも嫌。
だったら話さなければいいって思うんだ。
