「なんか、優しいなって思って。」
「…なんで?」
「だって鈴原くんの…」
「そうじゃない。」
四之宮くんの声が私の言葉を遮る。
「……?」
「なんで、口数少ないの?」
……それ四之宮くんの言えることですか?
「なんだろ、元々無口な方なんだけど…。恥ずかしがりで…」
「違う。」
また遮られる。
「…恥ずかしいから、が理由じゃないだろ本当は。」
…どうしてなんだろう、この人は。
どうして、全て分かってしまうんだろう。
目が合う。
真っ黒な瞳は私を捉えて離さない。
その視線が私の口を動かした。
…自然と、言葉がこぼれる。
「小学校の途中まではね、話してたの。」
