その日から私たちは何かと4人でいることが増えた。
本当にこのメンバーは居心地が良くて、
おかげで毎日学校が楽しい。
あっという間に
次の週の金曜日になった。
また図書室の静かな空間の中で
2人で並んで座る。
「……あのさ、中田、って好きな奴とかいるの?」
今日聞いた初めての四之宮くんの言葉に驚く。
えっ!もしかして、
四之宮くん、沙織のこと…。
そう思うとなぜか心が嫌な音をたてる。
モヤモヤした感情に支配される。
…なにこの気持ち。
黙り込んでいる私の心を読んだのか、
四之宮くんがこう続けた。
「いや、違くて。
……樹が、聞けってうるさくて。」
…なんか、ホッとしちゃった。
「ってことは
鈴原くんが沙織のこと…?」
「…あぁ。あいつ本気。好きになると一筋な奴だから。…で?」
「んー、高校に入ってから聞いたことないな、好きな人。今度聞いてみるよ。」
その言葉に柔らかい表情で頷く四之宮くん。
優しいんだなぁ、本当は。
鈴原くんのことあしらってるように見える…っていうか確かにあしらってるけど
大切にしてるんだね。
「…なんで笑ってんの。」
どうやら自然に笑顔になっちゃってたみたいっ!
うわ、恥ずかしいなっ。
