ドアを開けると既に四之宮くんがいて、
肘をついてうつむいていた。
昼休みも始まったばかりだし当たり前に他には誰もいない。
椅子を引いて彼の隣に座る。
その音に反応して四之宮くんが顔を上げた。
ゆっくりと目が開く。
…ね、寝てたのかな。
あの帰り道と同じ、
心地の良い静寂が広がる。
その静寂を破ったのは私でも四之宮くんでもなかった。
ガラッ
「ちっかいー♪」
そんな愉快な声と共に隣からため息が聞こえる。
鈴原くんだ。
「ほんと冷たいね誓は !
どうせ暇してるんだと思ってきてあげたのに〜!」
「……。」
無視。
「ま、昼メシもう食べ終わったから俺も暇だったんだけどね〜♪」
「…………。」
また無視。
「ごめんね、雪ちゃん、こいつほんと無愛想でさ〜、幼馴染の俺にこの態度だよ!?酷いよね〜。」
「……。」
今度は私が無言。
けどさすがに無視はしないよ!
肯定も否定も出来ないので、
軽く首をかしげておく。
「……樹、うるさい。迷惑。帰れ。」
しゃ…喋った!
と、思ったらめっちゃ暴言!
それに対する鈴原くんの反応はケロっとしたもので、ニコニコしている。
そんな状況がおかしくて、
ついクスッと笑ってしまった。
「……っ!!」
それを見てなぜか鈴原くんが目を見開く。
