翌朝。
寝不足で体調最悪な俺は
さっき真司郎が入れてきてくれたコーヒーでなんとか眠気を覚ました。
與「人事異動で寝れないって初めて聞いたわ…直也くんナイーブなんやね☆」
浦田『朝から王子感出さなくていいから…』
時計を見るとAM8:00と表示されている。
朝礼の時間だ。
部長「おはようございます。えー。では、まず早速今日からこの部署に入る方々を紹介しようかな。」
何人かがぞろぞろ入ってくる。
その最後尾
それは確かに
俺の愛しい人。
部長「んじゃ、奥の櫻井くんから」
櫻井「△△支社から来ました。櫻井陽菜と申します。これからよろしくお願いします。」
8年経ってようやく聞くことができた陽菜の声。
あの時よりも少し大人びていて。
セーラー服の印象だったのに。
今はしっかりとしたスーツを着ている。
俺の中では中学で時間が止まっているから
陽菜が変わっているのが
少し寂しいと思ってしまった。
部長「櫻井の指導係に......んー…。
じゃあ浦田!」
は?
部長「浦田が櫻井についてくれ!
えーじゃあ次。そのとなりの方…」
え?俺が陽菜の指導係?
與「(ボソッ)直也くん。これはチャンスやで。
櫻井さんとの時間を埋めるチャンスや。」
真司郎の一言で我に返る。
そうだ。
これから陽菜との時間を埋めればいい。
あの頃みたいにとは言わない。
せめてお互いが笑って話せるくらいまで。
