世田谷区の下馬で殺人事件が起きた。
容疑者は推定15-19歳の女性。
身長は160-170cm
体系はスリム
特徴はショートヘア

こんな情報で犯人の特定は難しい。

この日、碑谷警察署では緊急会議が開かれ特設チームが作られた。
「下馬殺人事件」


「なんてひねりの無いネーミングなんだ」と高橋は言った。

「仕方ないですよ。」と新米警察の須貝は答えた。

高橋と須貝は普段も直属の関係だが、今回の下馬殺人事件のチームも一緒に組む事になった。

「須貝、容疑者の容態はどうだ?」
「はい。18:42に死亡の確認が取れました。」
「情報は?」
「まだ詳しい情報はきていません。」
須貝がそう言うとお尻を思い切り蹴られた。

「お前、死亡時刻から何分経ってると思ってるんだ!容疑者の情報を集めるのが先決だろ!さっさと集めてこいっ!」

高橋は須貝に怒鳴った。
「はいっ!すみません!!」

須貝は走ってどこかに消えた。
そして犯人の女性もどこかに消えてしまったこの事件、高橋は違和感を感じていた。

人通りの多い道で犯行が起き、目撃者も多い。
しかし犯人を誰も捕まえないどころか情報すら曖昧である。

刑事事件の殆どは犯行と同時に事件が8割方解決しているか、2割の情報しかなく殆ど手の出し様がないか。


今回の事件は前者の様で結果として後者となっている。

何故か犯人の情報が乏しいのだ。
そんな時は小さな手がかりから幾つかの仮説を立てて一つずつ検証していく。

その間に犯人にも変化がある為、時間はかけられない。

それを須貝は理解できていないのだ。