そんな彼女の顔を眺めて居ると、ゆっくりと瞼が重力に逆らい開いた。


美しい顔にダイヤの様な瞳がプラスされた。

彼女は完成したのだ。



「おはよう。」彼女は上半身を起こしながら僕に挨拶をした。

その上半身には肌けたバスローブがあり、バスローブの隙間から美しいふくらみの一部分が見えた。

僕は昨晩の交わりの後だというのに目を逸らさずにいられなかった。
きっと耳も顔も赤く染まっているだろう。

「おはよう。コーヒーでも飲むかい?」と僕は目をそらしながら聞いた。

「御願い。」と彼女は応えた。

僕はコーヒーミルで豆をひく。部屋全体にコーヒーの美味しそうな香りが広がる。

「良い匂い」と彼女は心地よさそうに言った。

「サンドウィッチでも食べる?」僕は聞いた。

「いいえ、コーヒーだけでいいわ」
彼女は言った。

ひき終わったコーヒー豆をドリッパーにかぶせたペーパーフィルターに入れ、ゆっくりと「の」の字を描いてお湯を注ぐ。

ゆっくり、ゆっくりと。