ふと、時計の針に目をやると針が止まっている。正確には動こうともがいているのだが、それは振動だけで先に進む事が出来ない。

政孝はベッドに眠る女性を見た。
昨晩の馴れ初めは覚えているが、名前も知らない女性とこうして朝を共にするのは何とも居心地が悪く早くこの場から立ち去りたいと思った。

女性は身長が高く、スラっと伸びる綺麗な足が布団からはみ出ている。
太陽が奏でる神秘的な光と合間ってとても美しいと思った。

政孝はまじまじと女性の顔を見た。
昨晩、交わりがあったのだがこうしてしっかりと顔を見たのは始めてだった。

顔は今風の小顔で大きい二重の目は大きさの割に鋭さがあり彼女の大人な雰囲気の要因は恐らく目にあると思う。

その他鼻も筋が通り控え目に唇がついている。

肩まで伸びる髪の毛は、一本一本に命があり手入れが行き届いている。

すれ違えば必ず良い匂いがすると視覚を刺激する程だ。

人の印象は見た目で9割が決まるというが、彼女は誰が見ても美人だと思う容姿を持っていた。

なぜ、僕の隣に居るのだろう?
僕が誘ったからではあるが、政孝は自分についてくるとは思いもしなかった。