「なぁ」
「んー?」
「来年から、さ。一緒にいれねえじゃん。俺のことさ、忘れないでくれる?」
少し、弱々しい声になる。
声が震えて、まるで泣いているみたいだった。
「当たり前でしょ。忘れないよ。絶対。そっちこそ、私のこと忘れないでよ?」
ふふ、と肩を震わせて彼女が笑う。
彼女の滑らかな丸い頬に、笑うとできるえくぼ。
彼女の全てに愛おしさを感じた。
「ねぇ。結局、最後まで言ってくれなかったね」
「何が?」
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