Change!俺とアイツの怒涛の9ヶ月日記

「おやじ。これ……」


私はそう言って、海司のお父さんに置き手紙を手渡した。


「えっ、実家に帰るってどういうこと?」


動揺する海司のお父さん。


「おばあちゃん家に電話したら、母さんはもうおばあちゃん家にいた。

しばらくゆっくりしたら、こっちに戻ってくるって。

疲れてるみたいだって言ってた」


「そうか…」


そう言うと、海司のお父さんはゆっくりとソファに腰を下ろした。


「ね、ねぇ。おやじ。
母さん、体調悪いのかな?」


「え…?」


「ほら、薬飲んでるでしょ?」


「薬?」


え…?


海司のお父さん、知らないの?


「おやじ、知らなかったの?

母さん、抗うつ剤飲んでるんだよ?」


「こ、抗うつ剤?」


目を見開く海司のお父さん。


「し、知らないってどういうこと?」


おばさん、毎日飲んでるのに。


「だって、そんな素振り一切しないから」


何それ?


家族なのに。


夫婦なのに。


なんか、そんなの。


おかしいよ……。


「俺の看病で疲れてしまったのかな…?」


ぎこちなく問いかければ。


「う…ん。そうだね。

心労が重なったのかもしれないね……」


ガックリ気を落とす海司のお父さん。


なんだか、すごく悲しくなった。